都立高校改革推進担当 小泉殿
平成11年8月23日

東京都教育委員会への公開質問状

 私たちは、6月29日に突然提示された都立高校改革の「第2次適正化計画案」に志村高校がその対象校となっているのを知らされ、大変驚いています。「何故、本校が対象校になったのか」を具体的に知りたくて、下記の質問に対して、書面にて8月30日までにお答え下さるようお願い申し上げます。

東京都立志村高等学校PTA会長 飯田和雄


1.なぜ、志村高校が統廃合の対象校になったのか、次の質問に具体的にお答え下さい。

(1)資料1をご覧下さい。教育委員会の資料(平成10年度教育人口推計報告書)によっても平成10年度の実数からみると、北区、文京区、豊島区はほとんど変化はなく、板橋区ではむしろ増加の傾向にあると思いますが、なぜ、第4学区の生徒が減ると予想するのですか。その根拠はなんですか。
 8学区PTA連合会の説明会で、松原課長は、第4学区では平成22年度に生徒数が63.6%減少すると説明しています。平成8年度を100としているなど古い資料を使っていますが、なぜですか。実数の資料で具体的に説明してください。

(2)資料2をご覧下さい。本校の学校便覧の資料です。まず、この資料はご覧になったことがありますか。本校の65.6%は徒歩か自転車で通学しており、通学時間は61.7%のものが30分以内です。また、少なく見ても80%の生徒が40分以内です。まさに、第4学区の地域に根ざした学校ではないでしょうか。どのようにお考えですか。
 保護者のほとんどは交通費のかからない交通便利な学校だと見ていますが、このような本校を交通不便校と決め付けるのですか。交通の便利な学校という定義と、本校が交通不便校だという理由を他の学校と比較して具体的にお答え下さい。交通に便利な学校より、通学に便利な学校の方が生徒には便利だと思うのですが如何ですか。お答え下さい。

(3)資料2でも分かりますように、本校には、1年生が288名、2年生は273名、3年生は245名在学している、1学年7学級、全部で21学級という第4学区の中でも規模の大きな学校です。
 さて、退学者の件ですが、単純に計算しますと、1年生は0人、2年生は7人、3年生は35人の退学者出したことになります。もちろんこの数は少ない方がよいのですが、これをもって他の学校より退学者の多い、廃校にせざるを得ない学校としてみるのですか。他の学校の具体的な資料を添えて応えてください。
 また、6学級規模としてみますと、これに7分の6を掛けますと、2年生は6人、3年生は30人となりますが、6学級の他の学校と比較して如何ですか、資料を添えてお答え下さい。

(4)本校では、1年生が英語、数学を1クラスの半分(20名)で習熟度別の授業を行っています。子どもたちも授業がよく分かると大変好評です。私たち保護者も大変喜んでおります。また、演劇祭(練馬文化会館で実施)、展示祭、体育祭などクラス、学校をあげた素晴らしい行事を行っています。都立高校の中でもこのような「学園祭」を行っている学校は少なくなっていると聞いています。クラブ活動もサッカーでは都大会出場など頑張っております。さらい進学指導もきめ細かく行われ、毎年その実績を伸ばしております。
 このような学校を「特色ある学校」というのではないでしょうか。「特色ある学校」とはどのような学校か、どの程度の生徒をどこまで、どのような人間に育てて行くのがよいのか、本校の教育とからめて具体的にお答え下さい。

(6)本校は3万5千m2という敷地をもっています。他の学校と比較しても十分広い敷地ではないでしょうか。緑にも恵まれ、教育環境の優れた学校の1つだと自負しております。こんな本校を何故対象にしたのか、他の4学区の学校の敷地面積を示した上、お答えください。

(7)本校は、今年度一般入試で90人も不合格にせざるを得ませんでした。何故このように応募者の多い本校を廃校にするのですか。他の学校と比較してお答え下さい。
 また、一般的に考えて、生徒数が減るというのなら7学級を6学級にして、応募状況を見て判断するというのが民間の常識です。黒字の会社をいきなり解散するように、なぜ、プロセスを踏まずにいきなり廃校にするのですか。お答え下さい。

(8)この質問の最後として、なぜ本校を統廃合の対象校にしたのか(1)から(7)の回答を踏まえて、他の4学区の学校と比較して具体的にお答え下さい。

2.PTA、教職員など学校関係者に何の打診や説明もなく、突然「計画案」を提示したのはなぜですか。
以上

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